モビリオのページ18

斜めに、上の方が大きく開いて
乗り降りラクラク、
前傾ヒンジ・フロントドア
狭い場所でも上半身がスムーズに通り、
乗り降りしやすい新発想ドア。
低い床で、さらにラクラク。

狭い駐車場でも、
乗り降りスマート、ラクラク
フロントドアは開度が3段階。
狭い駐車場などでは
開度の小さい1段目に。
また、いちばん大きく開ければ、
大きな荷物もカンタンに
載せられます。

1段目では、上は大きく開くが、足元の開き方が小さいので、乗り降りに注意。

左の写真に注目してほしい。確かに上部は大きく開く。しかし、その反面、足元の開き方が小さい。開度が1段目では、ドアライニングの下端と、サイドシルの隙間は、約200mmしかなく、足を出し入れしにくかった。オプションのサイドロアスカートを装着する場合はさらに注意が必要だ。納車時に既にこの部分に傷がついていたのは、乗り降りの際、靴底で擦ったためと思われる。ステップ部分に傷が付くのを防止するには、ディーラーオプションのサイドガーニッシュカバーフロント用（\7000　0.2H）装着するとよいだろう。これも致命的な問題ではなく、その性質を理解しておけばよいと思う。ウォークスルーできるので、最悪の場合、スライドドアから乗り降りする手もある。

フロントドアガラスのBピラー伝いの縦寸は、約520mm、ステップワゴンより20mm程大きい。しかし、ボディサイズに対する比率と、ガーニッシュ部分の印象から、実際の差より、随分大きく見える。

フロントドアガラス周りの黒いガーニッシュ。これは、スライドドアガラスと下端位置を合わせるためのもの。よくよく見ていると、スライドドアガラスのブラックセラミックプリントの幅も、このガーニッシュに合わせている。

なぜ、フロントガラス下端と、スライドガラス下端を合わせなかったかという疑問が残るが、それは、適切な視野角と、フロントドアガラスが完全に収納できるようにするためらしい。今までの発想ならば、フロントドアガラスにその後ろを合わせるところだろうが、デザイナーは、スライドドアガラスの縦寸はどうしても譲れなかったのだろう。

個人的には、ここは、ガラスが足りない部分を付け足したようなものなので、透明感と光沢がある材質にすれば、もっと、デザインが締まってくると思う。但し、無塗装にしたことから、コストの縛りに勝てなかったのだろう。

黒いガーニッシュの材質は、無塗装のAES樹脂である。AES樹脂は、耐衝撃性、低温衝撃性、寸法安定性、接着性、外観（光沢）、着色・発色性、成型性、耐光性にも優れた材質である。そのため、メッキや塗装をしなくても外装部品に使用できる。表面処理をしないで済むため、製造原価を下げることができる。しかし、下記に対しては、外観その他が著しく劣化するので注意が必要。

AES樹脂を劣化させる物質（一例）

有機溶剤類	アセトン	酢酸エチル	塩化メチレン	トルエン
自動車用ケミカル類	ブレーキオイル	ガソリン	ガードワックス	ワックスリムーバー