オールペーパーカメラ


部品総数は197。日本語の説明書付でした。	部品をミシン目に沿って切り取り、曲げて、接着します。	ケーシングを組み立てます。	スプロケット、フィルム巻きキャプスタンと巻き戻しを組み立てます。

レンズ（内側）とフィルム送りを組み立てます。	外部の仕切り、暗室カバーと支えを組み立てます。	レンズ（外側）を組み立てます。	蛇腹を組み立てます。

レンズのガイドと横の支えを組み立てます。	装飾部品とファインダーを組み立てます。	ピンホールを組み立てます。	完成


蛇腹の位置を安定させるため、下の丸の位置に、滑り止めのサンドペーパーを貼ります。	フィルムの先端をスプロケットの隙間に差し込みます。	フィルムを巻きます。	暗室カバーを閉じて、ケースの裏蓋をはめます。

左の写真は、今回開けたピンホールです。ピンホールはまん丸にします。穴が小さければ小さいほど、丸ければ丸いほど、映像がはっきりします。一方、穴が小さいほど露出時間は長くなります。

写真を拡大して調べてると、アルミ箔の直径は5ミリに対し、ピンホールは約0.35ミリでした。

ピンホールのｆ値 = 焦点距離/針穴径
(例)
焦点距離 = 150mm、針穴径 = 0.375mm の場合
ピンホールのｆ値 = 150mm/0.375mm = 400）

シャッター速度 = （ピンホールのf値 / 露出計のｆ値）^2 × 露出計のシャッター速度
(例)
ピンホールのｆ値 = 400、露出計のｆ値 = ｆ5.6、露出計のシャッター速度 = 1/250　の場合
シャッター速度 = (400/5.6)^2 × (1/250) = 20.4秒

このカメラの焦点距離は、約150mm～190mmに調節できます。蛇腹を伸ばして使う場合は、ｆ値が大きくなるので、シャッター速度は遅くなります。

露出計を持っていないので、デジタルカメラで代用することを考えました。

撮りたい写真をデジタルカメラで写す。
撮った写真のデータを調べる。（写真の赤枠内の数字）
次の式で計算する。

シャッター速度 = （ピンホールのf値 / デジタルカメラのｆ値）^2 ×デジタルカメラのシャッター速度 × （デジタルカメラのISO値 / フィルムのISO値）
(例)
・ピンホールのｆ値 = 400
・デジタルカメラの値のｆ値 = ｆ5.6、デジタルカメラのシャッター速度 = 1/250　デジタルカメラのISO値 = 80
・フィルムのISO値 = 100
の場合
シャッター速度 = (400/5.6)^2 × (1/250) × (80 / 100) = 16.3秒

露出を調べるために、デジタルカメラで撮影しました。使用したデジタルカメラの焦点距離は、35mmフィルム換算で39mm相当。赤い枠は、実際に焦点距離を150mmにした時のピンホールカメラでの撮影できた範囲です。さらに、蛇腹を190mmまで伸ばすことができるので、150～190mmのズームレンズに相当します。

標準倍率の50mmレンズに対して、このオールペーパーカメラは、3～4倍の倍率になります。思ったより撮影範囲が狭くなるので被写体が切れないように、注意が必要です。


撮影したいものを決める。安定した台にカメラを置く。1枚目を撮影する時は、つまみを1回転半回します。	シャッター速度を計算し、その時間、シャッターを開けて、閉める。	2枚目以降は、つまみを3/4回転して、フィルムを送る。	最後まで取れたら、逆回し解除ボタンを押しながら、フィルムを巻いて、裏蓋を開けて、フィルムを取り出す。

今回は曇天でしたので、高感度フィルムのISO400を使いました。
晴れている時は、ISO100のフィルムの方が、シャッター速度の調節がしやすい思います。
下の写真をクリックすると、拡大写真が見られます。

遠景	マクロ	ズーム

条件：曇天・屋外ｆ：400 シャッター速度：8秒 ISO：400	条件：曇天・屋内ｆ：400 シャッター速度：100秒 ISO：400	条件：曇天・屋外ｆ：400 シャッター速度：12秒 ISO：400	条件：曇天・屋外ｆ：500（ズーム）シャッター速度：20秒 ISO：400
思ったより、ズームアップされます。レンズ付のカメラと比べると、ぼんやりした写真になります。	植物を、約20cmの距離から撮影しました。ピンホールカメラは、どこにでもピントが合うので、こんなに近くても、葉っぱの手前も奥も写ります。	蛇腹を伸び縮みさせることにより、焦点距離を約150～190mmに調節できます。左のワイド側を1とした場合、右のテレ側は約30%拡大できます。

紙のカメラでこんなにきれいに撮れるなんてびっくりしました。撮るのに時間がかかること以外は普通のカメラとして使えると思いました。